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メガロドンの絶滅理由は?

メガロドンの絶滅理由は?

この記事では、メガロドンが絶滅した理由について解説しています。

この記事は、学術的な内容としてよりも、メガロドンのことに関心を持ってもらえるような内容として紹介しているので、参考情報として読んでください。

メガロドンの絶滅理由

メガロドンの絶滅理由は?

メガロドンが絶滅した理由として、以下のことが挙げられます。

  • 海水温の低下
  • 餌の減少
  • 他の捕食者との競合
  • 生息海域の減少

上記について解説します。

海水温の低下

メガロドンが絶滅した理由のなかで最も大きな影響を与えたとされているのが「海水温の低下」です。

メガロドンが絶滅したと考えられている約258万年前(鮮新世・せんしんせい)は、気候が寒冷化し、海水温が低かったと言われています。

メガロドンは温暖な海水温に適応していたため、海水温の低下はメガロドンに大きな影響を与えることになります。

具体的には、冷たい海中のなかでも体温を維持するために大量の餌(エネルギー)が必要になる、海水温の低下により餌不足に直面する、俊敏に動けなくなって捕食行動に制限がかかるといったことです。

つまり、海水温の低下は、メガロドン周辺の環境を変えてしまい、環境の変化に適応できずに絶滅したというわけです。

「海水温の低下」は、メガロドンが絶滅した引き金になったと言えるでしょう。

餌の減少

「餌の減少」もメガロドンが絶滅した理由のひとつです。

メガロドンは餌の対象として、バシロサウルス(原始的なクジラ類)や、アザラシのような海洋哺乳類、さらにはウミガメなどを捕食していたと言われています。

特に、メガロドンにとって格好の獲物だったバシロサウルスが、海水温の低下によって減少してしまったことで、十分な餌を確保できず、徐々に個体数を減らしていったと考えられます。

他の捕食者との競合

メガロドンが絶滅した理由として「他の捕食者との競合」も挙げられます。

メガロドンは、生息していた約1,700万年間にわたり、海洋生態系において頂点にいたと考えられていますが、海水温が低下してからは様相が変わりました。

具体的には、後のシャチやホホジロザメなどの出現により、徐々に立場を追われてしまったと考えられています。

海水温が低下したことで動きが鈍ったメガロドンは、俊敏なシャチやホホジロザメに餌を奪われたり、襲われたりして、数を減らしていきました。

生息海域の減少

「生息海域の減少」もメガロドンが絶滅した理由のひとつです。

メガロドンは、海水温が低下したことをきっかけにして、より暖かい海域を目指したと考えられています。

一方、約258万年前の海洋には暖かい海域が少なかったことや、移動先に十分な餌がなかったため、環境に適応できませんでした。

さらに、メガロドンの餌だったクジラ類は、メガロドンがいなくなった冷たい海域に留まったことも影響したはずです。

このように、海水温の低下が引き金となり、メガロドンが快適に過ごせる海域が減少してしまったことで、絶滅したと考えられています。

メガロドンはホホジロザメに負けたのか?

メガロドンの絶滅理由は? 02

「メガロドンはホホジロザメに負けた」と聞いたことがある人は多いと思います。

現代では、メガロドンはホホジロザメとの競争に敗れた可能性が高いと考えられています。

この根拠とされているのが、2022年5月にイギリスの科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された論文です。

この論文によると、メガロドンやホホジロザメの歯に含まれる亜鉛の同位体レベルを調べたところ、メガロドンとホホジロザメは同じ獲物を捕食していた可能性が高いことが分かっています。

歯のなかに含まれる亜鉛同位体レベルが少ないほど、食物網の上に近いとされていることから、メガロドンとホホジロザメは競争相手として食物網の上位にいたと推測できるわけです。

メガロドンとホホジロザメを比較すると、大きさはまったく異なります。しかし、大きさが異なるそれぞれが同じ獲物を捕食していたと仮定すると、ホホジロザメの方が強いと解釈できます。

つまり、ホホジロザメはメガロドンよりも強く、環境にも適応でき、なおかつ現存することから、メガロドンはホホジロザメに負けたといえます。

出典:Nature Communications, 2022, Trophic position of Otodus megalodon and great white sharks through time revealed by zinc isotopes

メガロドンはシャチに勝てなかったのか?

メガロドンの絶滅理由は? 03

メガロドンはシャチとの競争にも敗れています。

メガロドンは海水温の低下によるさまざまな影響を受け、個体数が減っていきましたが、シャチは恒温動物であることから、環境への適応がうまくいったと考えられています。

また、冷たい海水のなかでも俊敏に泳げたことや、メガロドンよりもサイズが小さいためエネルギー効率がよかった、つまり捕食に苦労せずに済んだわけです。

さらに、シャチは非常に高い知能を備えていたことや、社会性を持ち、群れによる狩りを行っていたことから、メガロドンよりも生き延びる力が強かったといえます。

まとめ

メガロドンの絶滅理由は、海水温の低下をきっかけにして、餌や生息海域が減ってしまったこと、そしてシャチやホホジロザメなどとの競争に敗れたことが挙げられます。

特定の原因で絶滅したというよりも、さまざまな原因が連鎖した結果、絶滅したと言えるでしょう。