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メガロドンは恐竜なの?恐竜との違いを徹底解説

メガロドンは恐竜なの?恐竜との違いを徹底解説 03

「海の王者」と称される巨大ザメ、メガロドン。その圧倒的な大きさと、化石として発見される巨大な歯は、多くの人々を魅了し、時には畏怖の念を抱かせます。

「もしかしてメガロドンは恐竜の仲間なの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?

この記事では、メガロドンが恐竜ではない理由を、初心者から中級者の方にも分かりやすく解説します。

メガロドンとは? 

メガロドンは恐竜なの?恐竜との違いを徹底解説 01

メガロドン(学名:Otodus megalodon)は、約2300万年前から約360万年前の新第三紀(中新世〜鮮新世)に生息していたと考えられている、史上最大の肉食性サメです。その全長は推定で15〜20メートルにも達し、現生のホオジロザメをはるかに凌ぐ巨体でした。

昨今の研究では、全長は24メートルくらい(胎児の段階で4メートル)あったかもしれないと指摘されており、その巨大さは現代を生きる人間の想像を超えるでしょう。

メガロドンの歯の化石は、アメリカやインドネシアなど周辺の海や川で発見されています。大きなもので15cmくらいになる巨大な歯は、当時の生態系の頂点捕食者であったメガロドンの存在を物語っています。

関連記事:メガロドンとは?メガロドン完全ガイド

恐竜とは? 

メガロドンは恐竜なの?恐竜との違いを徹底解説 02

一方、恐竜は、中生代(約2億5200万年前から約6600万年前)に陸上を支配した爬虫類のグループです。鳥類を除くほとんどの恐竜は、約6600万年前の白亜紀末の大量絶滅によって姿を消しました。

恐竜は、その形態や生態において非常に多様性があり、二足歩行の肉食恐竜ティラノサウルス・レックスや、巨大な草食恐竜ブラキオサウルスなど、様々な種類が存在しました。

メガロドンと恐竜の違い

メガロドンと恐竜の具体的な違いを見ていきましょう。

  • 生息していた時代
  • 生息環境
  • 生物学的な分類
  • 呼吸方法
  • 骨格
  • 絶滅理由

上記について解説します。

1. 生息していた時代

メガロドンと恐竜の最も大きな違いのひとつは「生息していた時代」です。

  • メガロドン:約2300万年前〜約360万年前(新第三紀)
  • 恐竜:約2億5200万年前〜約6600万年前(中生代)

このように、メガロドンが生きていた時代には、すでに恐竜は絶滅していたのです。つまり、両者が同じ時代に共存することはありえませんでした。

2. 生息環境

メガロドンと恐竜は「生息環境」も大きく異なります。

  • メガロドン:
  • 恐竜:主に陸上(一部、水棲に適応した恐竜も存在しましたが、メガロドンのような完全な海洋生物ではありません)

メガロドンは温暖な海を自由に泳ぎ回り、クジラなどの大型海洋生物を捕食していました。一方、恐竜は陸上を中心にして、肉食または草食など、多様な生態系を築き上げていました。

ちなみに、メガロドンと比較されることが多い「モササウルス」も、恐竜の一種と思われがちですが、厳密には海生爬虫類となり、恐竜ではありません。

3. 生物学的な分類

メガロドンと恐竜は「生物学的な分類」も全く異なります。

  • メガロドン:軟骨魚綱ネズミザメ目オトドゥス科(絶滅)に属する魚類
  • 恐竜:爬虫綱主竜類に属する爬虫類

メガロドンは、骨ではなく軟骨で骨格が構成される魚類です。これは、現生のサメと同じ特徴であり、現代に歯の化石しか残っていないのは、これが理由です。

一方、恐竜は骨を持つ爬虫類であり、ワニや鳥類に近い仲間です。アメリカ大陸や中国大陸では、現代でも恐竜の骨が見つかっています。

4. 呼吸方法

メガロドンと恐竜は「呼吸方法」も異なります。

  • メガロドン:エラ呼吸
  • 恐竜:肺呼吸

メガロドンは、水中に溶け込んだ酸素をエラから取り込んで呼吸します。一方、恐竜のほとんどは陸上で生活していたため、肺で空気中の酸素を取り込んでいました。

5. 骨格

メガロドンと恐竜は「骨格」の構成も重要な違いです。

  • メガロドン:軟骨骨格
  • 恐竜:硬骨骨格

サメ類の特徴である軟骨骨格はやわらかく、化石として残りにくいため、メガロドンの化石は主に硬い歯だけが発見されます。つまり、メガロドンの生態などを理解するには、歯の化石を主な手がかりに研究するしかありません。

一方、恐竜は硬い骨でできた骨格を持つため、原型を留めた全身の骨格化石が発見されやすいほか、数多く見つかることもあるため、メガロドンよりも生態を理解しやすいといわれています。

関連記事:メガロドンの歯の化石はどうやって採掘される?

6. 絶滅理由

メガロドンと恐竜は「絶滅理由」も異なります。

  • メガロドン:海水温低下に起因する環境不適応
  • 恐竜:隕石の衝突

メガロドンは今から約360万年前に絶滅しました。絶滅した理由は、海水温が低下したことで、遊泳スピードが低下して獲物に追いつけなくなったことや、体温を維持するのに必要なエネルギーが確保できなくなった、そしてホホジロザメなどの他の生き物に襲われやすくなったことが考えられています。

対照的に、恐竜は今から約6600万年前に隕石が地球に衝突したことで絶滅したとされています。

関連記事:メガロドンの絶滅理由は?

メガロドンと恐竜はまったく異なる生き物

メガロドンは恐竜なの?恐竜との違いを徹底解説 04

メガロドンと恐竜はまったく異なる生き物であることがわかったと思います。

メガロドンと恐竜は、そもそも生息していた時代が違うため、直接対決するようなことはありませんでした。また、生息していた環境や骨格、呼吸方法なども違います。

一方で、古代に生息していた生き物として、メガロドンと恐竜を比較することはロマンがある話です。

「メガロドンとモササウルスはどっちが強い?」や「メガロドンとティラノサウルスはどちらが噛む力が強かったか?」など、比較することで興味が深まるかもしれません。

メガロドンと恐竜を比較する際は、両者の違いをしっかり押さえたうえで想像すると面白いでしょう。

まとめ

メガロドンは、その巨大な姿から恐竜と混同されることがありますが、生きた時代、生息環境、生物分類など、多くの点で恐竜とは全く異なる生物です。

メガロドンは、中新世から鮮新世の海を支配した巨大なサメであり、恐竜は中生代の陸を支配した爬虫類という違いを理解しておくとよいでしょう。